このページをご覧になっている多くの方が、健診で尿タンパクや尿潜血を指摘されたり、腎臓の働きが弱くなっているため腎臓専門医を受診するよう指示されたのではないかと思います。
腎臓病はできるだけ早期からの治療開始が大切です。一度腎臓が悪くなると、良くなることはないと言われていますが、早期かつ適切に対応すれば改善や寛解も可能な場合があります。ぜひ一度、当院外来でご相談ください。
血液検査でクレアチニン値が高くなったり、eGFR値が低下した状態です。特にeGFR 60未満が3か月以上続くと、慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease;CKD)と診断されます。
原因疾患にもよりますが、多くのCKD初期の方は食事・運動などの生活習慣の見直し・指導がメインの治療になります。CKD中~末期の方は、腎不全によって出てくる症状に対しての薬物療法や腎代替療法が必要になる場合があります。
CKDは適切な対応をすれば病気の進行を遅らせることができますが、放置してしまうと急激に腎臓の機能が低下し、尿毒症などの症状が出て緊急透析が必要になる場合もあります。
腎臓の炎症(腎炎)、尿の通り道にできる尿路結石、膀胱炎などの尿路感染症、泌尿器系の悪性腫瘍などの病気が考えられます。腎臓の組織をとって調べる検査(腎生検)やレントゲン・CTなどの画像検査、詳細な血液・尿検査を行い原因の検索をする必要があります。
中には過度の運動や女性ならば月経血の混入など、一時的なもので再検査すると陰性となることもあります。
糸球体腎炎やネフローゼ症候群などの病気の可能性があります。その場合は腎臓の組織をとって調べる検査(腎生検)やレントゲン・CTなどの画像検査、詳細な血液・尿検査を行い、原因の検索をする必要があります。
ただし風邪をひいた後や疲労、ストレス、激しい運動後、脱水などでも蛋白尿が見られることがあります。
また、以下のような症状が出ている場合は腎臓に原因があるかもしれません。
→「急性糸球体腎炎」の疑いがあります。腎臓のろ過装置である糸球体という場所に炎症が起きて、赤血球やタンパクが尿に漏れ出てしまう病気で、主に溶連菌の感染後10日前後に発症します。小児に多く認められますが、大人の方でもかかります。
→「急速進行性糸球体腎炎」の可能性があります。糸球体腎炎のうちで数週から数カ月の短い期間に急速に腎機能が低下する病気です。膠原病や感染症など原因はさまざまあり、適切な対応が行われないと透析による治療が必要になる場合もあります。
→本来、尿に出ないはずのタンパクが尿中に大量に漏れ出てしまうことにより、血液中のタンパクが減り、身体が浮腫んでしまう「ネフローゼ症候群」という病気が疑われます。検査所見としては尿蛋白が1日に3.5g以上、アルブミン濃度が3.0g/dl以下などが特徴です。原因はさまざまですが、悪性腫瘍や膠原病に伴うものもあります。
→目で見てわかる血尿は腎炎などの腎臓疾患のほか、尿路結石や膀胱腫瘍など泌尿器疾患が原因の場合もあります。
これらの病気が疑われた際はしかるべき医療機関、診療科へ速やかにご紹介致しますので、早めの受診をご検討ください。